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【イマジンワンワールド バングラデシュ人民共和国の着物】

2018.4.19 / 未分類

2020年の東京オリンピックに向け、一般社団法人イマジンワンワールド様のプロジェクトでバングラデシュの着物を制作させていただきましたので、ご紹介いたします。

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今月末の100カ国の着物完成記念式典で、モデルさんが着用し御披露目されるようです。

以下、バングラデシュの着物についての解説です。

ベンガル語で「ベンガル人の国」を意味するバングラデシュは、豊富な水資源から米や綿、ジュートの生産に適し、かつて「黄金のベンガル」と称された豊かな地域でしたが、現在はアジアの最貧国に属します。
しかしながら、グラミン銀行のマイクロクレジットや、巨大NGO BRACの活動等、貧困対策に取り組む国でもあります。
その中で「黄金のベンガルの復活」を制作テーマにしました。

左袖には、ヒンドゥー教徒の民間儀礼的な床絵・アルポナを中心に置いたノクシカタを。

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ノクシカタはバングラデシュの伝統的な刺繍であり、現在様々な国に輸出され、バングラデシュの女性達の収入を支えています。

右袖から左袖へは、綿花を。

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かつて存在したダッカ・モスリンは今では伝説の薄布と呼ばれ、透き通るような布に仕上げるバングラデシュの貴重な高級輸出品でした。
近年そのダッカ・モスリンを復活させる動きもあります。

右袖下部には、ジュートを。

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ジュートは、環境への良さから見直され、生産量が増えてきています。

綿花、ジュートもノクシカタをイメージしてデザインしています。

地色は、黄金のベンガルと、濁った川、肥沃な大地をイメージして、土色から黄金色になるよう染めました。

無地部分で川の流れを表現していますが、これはバングラデシュの国土に流れている大河の動きを参考にしました。

着物の下半分は、リキシャアートをイメージしています。
バングラデシュの主要な移動手段であるリキシャ。
そのリキシャには色とりどりの派手な装飾や、かなりインパクトのある絵が描かれてあり、その絵自体がリキシャアートという1つの作品として発表もされています。

国花である睡蓮と、国獣であるベンガルトラを、
リキシャアート風のはっきりした雰囲気と、国旗の色の赤と緑を使いつつ染めています。

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右下には主食の米を表す稲を入れました。

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ベンガルトラは、これからバングラデシュが踏み出す新たな一歩を表しています。

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福村 健

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